犬のマッサージを自宅で簡単にやってみよう。まずは準備の前の知識編。
犬は体の構造上の特徴から、人よりも肩や腰がこりやすい動物だと言われています。
体が痛かったり、こったりした時でも言葉は発しませんが、ちゃんとサインは出します。
例えば生活習慣からくる筋肉のコリのサインは「姿勢の崩れ」に、誤った動作の反復によるからだの歪みや痛みをかばうサインは「歩き方」に現れます。
飼い主さんがサインの意味とつらさを改善してあげる方法を学んで知っていれば、愛犬のメンテナンスをしてあげることができます。
そしてそれがもし、重大な疾患やトラブルの予兆であった場合には、早期発見に繋がります。
ガチガチのこりを放っておくとこんな危険が。
人の肩や首、下半身のコリなどと同様、犬も「たかが肩こり」とあなどっていると思いがけない病気を引き起こすことがあります。
筋肉が何かしらの原因で硬くなり、関節が動かなくなると、可動域が狭まります。
通常、ケガや病気によるしびれ、長期入院、加齢などによって体を動かせない状態が長期間続くことによって起こります。
それと同じことが、生活習慣や良くない姿勢を続けることでも起きるのです。
★頑固なコリによって起きる主な症状・病気★
●頭、首、肩周辺のコリ
・頭痛
・聴力の低下
・視力の低下
・逆くしゃみ(※1)
・気管虚脱
・心臓病
・吐き気
・めまい
※1・・・逆くしゃみとは、愛犬が「フガッ!フガッ!」と鼻を鳴らしたり、ガーガーという音を発する症状で、小型犬に多く見られます。
●背、下腿、四肢のコリ
・背骨の歪み
・猫背・つまづき、転倒
・ナックリング、ナックルオーバー(※2)
・触られるのを嫌がる、気性が荒くなる。
※2・・・ナックリングは、足裏を付けることができずに、足の甲で立ってしまう症状です。前肢や後肢を動かす神経の障害が原因ですが、特に疾患がなくても加齢によっても起こりやすくなります。ナックルオーバーは、かかとが前に倒れすぎて、後肢が直立気味になる症状です。痛い方の足をかばい、逆の足に体重をかけすぎて起きることが原因のひとつです。
重大なトラブルを引き起こす前に、飼い主さんが予防できることはやっておきたいですよね。
コリからくる様々な症状があることをまずは知ることから始めてみるのもいいかもしれません。
そして愛犬の動作や姿勢をしっかり観察してみませんか?毎日見ていると、小さな変化に気付きます。
何かあった後では遅いので、日頃から愛犬のチェックをすることをおすすめします。