犬のマッサージを自宅で簡単にやってみよう。実践編。
愛犬のマッサージをする準備が整ったところで、実際簡単なマッサージをやってみましょう。
これは医療行為ではなく、愛犬とのスキンシップを図りつつ、病気や異変の早期発見を目的としています。
そもそも大好きな飼い主さんに触られることは犬にとって癒しの効果が大きいものです。
普段から人に触られることに慣れていると、急にペットホテルに預けることになった場合や、病院にかかった場合、人の手を怖がらずにスムーズにいくことになりますので、その点でもメリットがあります。
マッサージは基本的には、さする、揉む、皮膚をつまんで引っ張るなどいろいろありますから、愛犬が気持ちいいと感じていそうなもの、好みなどでいろいろ組み合わせてみるのがベストです♪
●全体
まずは犬の体全体の状態や性質を知るために、両手の手のひら全体を使って全身を一筆書きのように長く撫でます。
頭から首、背中、前脚、後脚までゆっくり撫で、嫌がる箇所や痛がる箇所が無いかをチェックします。
この段階であまり反応が良くなければマッサージを中止してください。
●背筋
首の後ろから腰にかけて手の平で優しく数回撫で、次いで肩から前脚の先へ、腰から後ろ脚の先に向かって同様に手の平で数回撫でるようにします。
これだけでも血流の循環を促したり、犬を落ち着かせたりする効果があります。
その後、手の平に丸みをもたせ、指を開いて、指先で軽く毛並みに沿って再度同じ場所をマッサージするのもいいでしょう。
●首
犬は四つ足で歩行する分、首の後ろは意外に筋肉が緊張しているもの。
小型犬ほど飼い主さんを見上げるので、凝っていることが多いです。
首の後ろを軽くつかんで揉む、または「1・2・3」と数えながら少し引っ張り上げて、同じようにゆっくりと元に戻すという動きを繰り返してあげると筋肉の緊張をほぐすとともに血行をよくし、循環機能を高める効果が期待できます。
●耳
犬は耳もよく使います。
ブラインドドッグは目が見えない分、余計に耳を使います。
ということは、耳およびその周囲の筋肉も緊張しがちであるということ。
指の腹を使って、親指と他の指の間に耳を挟むようにし、耳の根元から先端へ向かってスッと引っ張ったりして軽くマッサージ。
その後、前方向、後ろ方向、横方向、斜め方向、全ての方向に向かってつまんだまま軽く引っ張ってください。
耳をつまんだまま軽く円を描くようにクルクル回してほぐすのもいいでしょう。
●口の周り
口の周りも指先で小さく円を描きながら軽くマッサージします。
興奮を沈め、吠え癖などの問題行動を抱える犬にも効果的だとしています。
●目の周り
目を囲んでいる骨の先端部分を指先で軽く一周撫でたり、小さな円を描きながら一周します。
涙の多い犬では目頭付近を重点的に。
指先が目の中に入らないように注意してください。
●お腹
胃腸が弱い犬や消化機能が低下しているシニア犬では、犬を抱き抱える形で手の平を使い、お腹を右回りに円を描くように撫でてあげると消化をを促す効果があります。
●背中
首の後ろと同様、背骨の上の皮膚を両手でつかみ、「1・2・3」と上に持ち上げて、また「1・2・3」と下に下ろします。
これを数回繰り返します。
筋肉が硬直している犬は、皮膚をつかめない場合もあるので、そういう時は徐々に皮膚と皮下組織を分離させてください。
●足先
脚を伸ばしたり、曲げたりといった屈伸運動の他、足先をくるくると回したり、指の一本一本を軽く引っ張り、くるくる回してみたり、指先で小さく円を描くように刺激します。
特に介護状態にあるシニア犬では筋肉が固まってしまいがちなので、足先のマッサージもして血行をよくしてあげたいものです。
肉球のマッサージも効果的です。
●脚
脚の付け根から足先までの間を筋肉に沿って手の平で撫でたり、揉みほぐしたり、指先で円を描きながらマッサージをします。
ついでに、各関節がどの程度曲がるのか観察し、だいたいのその可動域を覚えておくと、関節にトラブルがあった時、より早く気付くこともできるでしょう。
脚の付け根とひざ下にはリンパがありますので、その部分を意識してさすってあげたり、流してあげるイメージでやると良いかもしれません。
ご紹介したマッサージに適切な画像をお付け出来ず、申し訳ありません(汗)。
全てのマッサージにおいて、過度な力は必要ありません。
犬の体の大きさによって多少は力加減を変化させますが、ほとんど力を入れなくて大丈夫です。
優しくさすったり撫でたりするだけで十分効果はありますので、是非実践してみてくださいね。