アニマルホーダーをご存じですか?知っておくべき大切なこと。

カワイイだけでは済まされない動物飼育の現状。

傷つけたり叩いたり、という目に見えてわかる「動物虐待」と同じくらい深刻な問題があります。

いや、目に見えない分、闇が深くてさらに深刻かもしれません。

それは「アニマルホーダー」の存在。

「ホーダー」とは、モノを捨てられず、溜め込む・片づけられないという意味があります。

ゴミ屋敷などが典型的な例ですかね。

モノだったらまだいいけど、命ある動物を溜め込むって・・・。

考えたくないけど世界中でアニマルホーダーによってたくさんの動物が被害を受けている現状があります。

これは一種のネグレクト(飼育放棄)なのですが、飼い主が自覚していないというところに問題があります。

そのネグレクトによって動物がどうなるか、ということをわかっていないのです。

一体どういう人がアニマルホーダーになるのでしょう?

飼い主の特徴

これは多岐にわたるようですが、一部をご紹介します。

  • 全体の46%が60歳以上(でも最近は20代の事例もある)
  • 30代から始めることが多い
  • 2/3が女性
  • 2/3が独身
  • 教育レベルは高く、大卒が多い
  • 動物に携わった職業経験の人が多い
  • セルフネグレクト
  • 社会的孤立
  • 適切に処置をする動物もいる
  • 自分が動物を救っていると思っている
  • 行政・愛護団体を敵視
  • 動物を手放さない
  • 更生の見込みはない

あくまでも”こういう傾向にある”といった感じですが、結局どんな人でもアニマルホーダーになり得ると言えそうです。

先日もニュースでありました。

「動物保護活動をしている女性宅で、ネコ数十匹の死骸が見つかった」と。

まさか保護活動をしている人が?!と衝撃を受けました。

はたから見ると動物のことを大切に思っているように見えるのがどうしようもない・・・。

アニマルホーダーの家にいる動物はどうなる?

ちなみにアニマルホーダーは以下のことをやりません。

「その動物にとっての適切な水、食事を与えること」

「適切な運動をさせること」

「快適な環境整備をすること」

とにかく、ただただ家に置いているといったような「モノ扱い」と言うんでしょうか。

飼い主(飼い主と呼んでいいのか・・・)的にはちゃんと飼っていると思っているところが問題なんですよね。

しかし適切な飼育をされていない犬や猫は、もちろん病気になります。

汚物の処理もされませんので衛生面も悪い。

ストレスが溜まるし食事もまともにもらえないから免疫力も下がる。

大抵は、悪臭が原因で周囲の人に迷惑をかけ、そこで発覚、という流れが多いようです。

犬や猫が最悪の状態になってからの発覚・・・悲しい・・・。

人に対する精神的ケアが必要

人間の子供に対する虐待と同じで、子供や動物を守ることはもちろんですが、それだけでは問題解決にはなりません。

親や飼い主への精神的ケアが必要なんですよね。

なぜそういうことをするのか、人間が抱えている悩みやストレス、問題を根本から解決しないといけません。

しかし、人へのケアが出来る人が少なく、アニマルホーダーを減らすこと自体が難しい現状にあるとのことです。

それでは動物を救えたとしてもまた新たな動物を飼うから意味がないんですよね・・・。

まとめ

私は日々、TwitterやInstagramで保護犬や保護猫の飼い主を探している投稿を見ます。

投稿を見るだけで、無力な自分を感じていたのですが、こうしてブログに書くことにより、そういう現状があるということを知ってもらえたらと思います。

私がボランティア登録している「福岡県動物愛護センター」では、譲渡対象の犬や猫のアフターケアもおこなっていますよ。

新しい飼い主さんがちゃんと飼育しているかを定期的にチェックします。

そして飼い主さんが飼育に関する悩みを抱えていたら、相談にも乗ってくれます。

そもそも適切な飼育環境を確保できるところにしか譲渡しませんので、不幸な犬猫はいません。

動物を飼う人全員がそういう気持ちを持ってもらいたいので、微力ながらこれからもこういう情報発信は続けていこうと思います。